会計法

 

企業会計に関する法体系の基本法

すべての会計規制は、会計法に準拠しなければならない

 

成立・改正過程

 1985112日:全国人民代表大会常務委員会が制定(施行:8551日)

 19931229日:改正(施行:9411日)

 19991031日:改正(施行:0071日)

 

○会計法制定の背景

中国の政治的・経済的・制度的背景

  政治的背景:法制度の欠落による社会秩序の混乱(文化大革命)

   経済的背景:会計業務の混乱と原価管理の欠落

   制度的背景:会計担当者による職責履行の困難さ

1978年:第11期中国共産党中央委員会第3回総会

  「社会主義法制を強化すること」が宣言

  「人知または無法」から「法治」への転換が決意

  →中国全土で法制度の整備が始められる

 19808月:第5期全国人民代表大会第3回会議において「会計法」制定の準備が開始

   →4年半に及ぶ制定作業

 19851月:公布

 

1985年「会計法」の概要

 第1章 総則(第1条〜第6条)

   「会計法」の目的

      「会計制度を強化し、会計担当者の法による職権行使を補償し、国の財政制度・財務制度の維持、社会主義公共財産の保護、経済管理の強化及び経済効率の向上における会計の役割を発揮させる」

      →市場経済でなく、計画経済のためのもの

   適用範囲(規制対象)

      国営企業と事業単位、国家機関、社会団体、及び軍隊などの国営組織(第2条)

      →非国営経済組織はその適用対象とはされていない

 第2章 会計計算(第7条〜第15条)

   会計行為の基本要素を規定

     会計計算の対象、会計期間、記帳上の通貨単位、証憑の要求、会計手続、財産照合制度、財務諸表の作成・提出、及び会計文書の保管など

 第3章 会計監督(第16条〜第20条)

   会計監督の基本原則

     会計部門と会計担当者による内部監督

     国家機関による外部監督

 第4章 会計部門と会計担当者(第21条〜第24条)

   会計部門及び会計担当者に関わる事項の規定

     会計部門の設置および会計担当者の配置、会計部門と会計担当者の職責など

 第5章 法律責任(第25条〜第29条)

   会計担当者と組織責任の違法行為について、その業績処分及び刑事責任を具体的に規定

 第6章 附則(第30条)

 

1993年改正の概要

 1985年会計法

→急速な経済改革のなかで、環境変化に適応できなくなった

     経済体制の転換(計画経済から市場経済への移行)

     企業形態の多様化(非国有企業の出現)

 改正の要点

  ・立法主旨の変化

     計画経済秩序の維持

         ↓変更

     社会主義市場経済秩序の維持

  ・適用範囲の拡大

     国有経済組織

       ↓変更

     すべての経済組織

  ・会計業務に対する組織責任者の法的責任

     会計部門や会計担当者だけでなく、組織責任者にも会計業務に対する法的責任を負担させる

 

1999年改正の背景

 1996年の国務院の調査:約83.9万の経済組織に対して会計業務の整備状況を調査

@     16.3%の経済組織において、会計情報に誤り

A     16%の経済組織において、会計業務の基礎体制の不備(過半数は個人事業や私営企業)

B     粉飾決算の氾濫

 要因

@経済組織(単位)の会計全般に関する責任の不明確性

     1993年「会計法」…責任の明確性に欠けていた

   A会計監督のメカニズムの不健全性

     1993年「会計法」…会計担当者は組織責任者の指導下で職権が履行しにくい

   B会計計算に対する法的強制力の弱さ

     1993年「会計法」…具体的規則は「企業会計準則」に委任

     「企業会計準則」→法的責任の規定がない

  ↓

 19986月:国務院は財政部に企業会計の改善策として「会計法」の改正を指示

 

1999年改正の概要

 抜本改正

   630条 → 752

     30の条文が追加

     21の条文が改正

     8の条文が消去または合併

 主な改正点

   立法主旨の変化

     企業・単位会計のあるべき姿を示した会計に関する国家の基本法

          ↓

     会社・企業を主たる対象とする、会計情報の利用者のニーズにも配慮した法律

     国際資本市場となるための前提として、IASに準拠した「具体準則」で企業会計がおこなわれる基礎を整備する役割

   @会計業務に対する組織責任者の法的責任の拡大

     単位の代表者が単位の会計業務と会計情報に関して全責任を負うことを明確化

   A会計監督メカニズムの明確化

会計担当職員を企業・単位の経営責任者のスタッフとし、その職務を会計計算、会計監督(内部統制組織)などに限定

 

B会計原則の一部及び一般原則の法律化

     会計計算に関する真実性の原則による一般的要求

   ・監督体制の強化

内部統制組織(会計機構・会計担当職員)、社会監督(公認会計士監査)、国家監督(財政・会計検査・税務などの当局)の一体化した体制

・会計違法行為の取締強化

     違反に関する罰則規定

   ・「全国統一の会計制度」の定義

     会計監督や会計業務を管理する規定まで含まれる広義の概念と定義

 

 

企業会計準則

 

会計制度の3層構造の中間に位置

     「会計法」を母法

     企業会計の基本的事項、会計の前提、会計要素など会計の枠組みを規定

「基本会計準則」と「具体会計準則」から構成

 

成立

 企業会計準則:19921130日:公布(9371日:施行)

 

○企業会計準則制定の背景

経済体制の改革と対外開放政策の急速な進展

・対外開放政策の拡大化

・企業経営のメカニズムの転換

「企業会計準則」前の企業会計制度

・所有制別、部門別、業種別に制定

・各企業が提供する会計情報 → 統一性と比較可能性に欠けていた

・国民経済の状況を正確に判断するため → 企業間の会計規範を統一する必要

・旧「所有制別・業種別企業会計制度」

旧ソ連の計画経済体制に適応した会計制度を基本モデル

先進諸外国の会計制度とは大きなギャップ

→合弁企業の設立や外資導入が極めて不便な状況

国際会計基準に準拠した会計基準の確立が企業や関係機関から要請

 

○企業会計準則

・「基本会計準則」

すべての企業会計を規制

会計公準、一般原則、会計要素、および財務諸表の作成と提出に関する基本的要請を規定

・「具体会計準則」

「基本会計準則」に基づき、個別的な会計処理について具体的な規定

 

「企業会計準則」制定の指導理念

・「企業会計準則」は、中国の社会主義市場経済の体制に適応するもの

・「企業会計準則」は、国際会計基準を参考にするとともに、中国の会計実践を総括するものであること

・「企業会計準則」は、財政・税務制度との協調を前提とし、会計の相対的独立性を保証するものであること

企業会計制度の変革

@従来の会計計算を大きく変貌させた

従来の業種別、所有制別、部門別による会計計算のモデルとは異なり、中国国内のすべての企業に共通の会計規範であり、各業種や部門の会計制度の基礎となるもの

A会計計算の一般原則を規定した

準拠すべき12項目の一般原則を規定

一般原則

・「企業会計準則」のなかで主導的地位

・「具体準則」の制定と会計実務全体を指導するもの

・その後に予定されている各種会計制度の制定や各企業の会計計算の指導的規範を提供するもの

B会計等式を国際的な会計等式に転換

資産=負債+所有者持分

C国際的に通用する会計報告書の体系を採用

・従来の資金平衡表を貸借対照表に転換

・財政状態変動表(C/F)を追加

3つの計算書類が会計報告書の体系を構成

D国際的に通用する製造原価法を採用

従来の中国の原価計算(完全原価法)

企業の管理費や販売費等も製品原価に加える

→企業の経営状況を正しく反映しない

製造原価法を採用

製造費用と期間費用を区分する

発生主義と費用収益対応の原則を徹底

 

○基本会計準則

制定:199212月公表、199371日施行(財政部)

主として会計計算の基本に関する原則を規定したもの

すべての経済組織を対象に適用

構成:1066

1章 総則、第2章 一般原則、第3章 資産、第4章 負債、第5章 所有者持分、第6章 収益、第7章 費用、第8章 利潤、第9章 財務報告、第10章 付則

@総則(第1章)

設定の目的、適用範囲および基準の機能、並びに会計をおこなう場合の前提

      第1条(制定の目的)

        「わが国の社会主義市場経済発展の必要性に適応し、会計計算の基準を統一し、会計情報の品質を保証するため、中華人民共和国会計法に基づいて、本準則を制定する。」

2

中国で設立されたすべての企業及び企業管理方式を採用している事業体がこの基準を適用すること

3

企業会計規則の設定にはこの基準に準拠しなければならないこと

4条〜第9

企業実体、継続企業、会計期間、貨幣的測定、記帳方法、記録文字の6つの会計前提を規定

*記帳方法と記録文字を会計前提 → 中国特有

・記帳方法

「会計記録は貸借記帳法(貸借複式簿記)によるものとする」

               ↑

従来から中国では、貸借記帳法のほか、増減記帳法や収支記帳法などが使用されていたから

・記録文字

「会計記録は中国語によるものとする。ただし、少数民族自治区では当該少数民族の文字、外資企業では当該外国文字の使用も認める」

             ↑

中国では漢民族以外に多くの少数民族がいることおよび外資系企業の増加傾向を考慮することから

A一般原則(第2章)

真実性(客観性)、目的適合性、比較可能性、継続性、適時性、明瞭性、発生主義、収益費用の対応、保守主義、取得原価主義、資本的支出と収益的支出の区分、重要性の12をあげている(第10条〜第21条)

 

中国の国情に基づき、国際的会計慣行を参考にして要約したもの

     目的適合性の原則(第11条)

「会計情報は国家のマクロ経済管理の要求にかない、企業の財政状態及び経営成績に関する関係各方面の情報要求を満足させ、企業が内部経営管理の強化要求を満足させなければならない」

→会計情報の第一の利用者は国家

B会計要素(第3章〜第8章)

会計要素の概念並びにそれぞれの要素の認識、測定、記録および報告の基準を規定

規定の方式

会計処理方法を詳細に規定することなく、貸借対照表項目と損益計算書項目の概念の説明に重点をおいている

・資産

企業が所有またはコントロールしており、貨幣で測定できる経済資産であって、各種の財産、債権その他の権利が含まれる

→「将来の経済的便益」ではなく、所有または支配という法概念によって規定

・負債

企業が負担し、貨幣で測定できる、資産または役務の提供を必要とする債務である

・収益

企業が商品を販売したり役務を提供するなどの取引のなかで実現した営業収益であって、基本業務収益とその他の業務収益が含まれる

・費用

企業の生産経営過程のなかで発生した各々の消費額である

C財務報告(第9章)

財務報告の構成、財務諸表の体系、財務諸表の本質、財務諸表の基本的な区分と配列、財務諸表の表示原則を規定した部分

・財務報告

「企業の財政状態及び経営成績を明らかにする文書であって、資産負債表、損益表、財政状態変動表(またはキャッシュ・フロー計算書)、付属明細票及び財務諸表注記事項、並びに財務状況説明書が含まれる」

 

○具体会計準則

「企業会計準則」による「基本会計準則」の要求に基づいて、経済取引に関する会計処理に具体的な操作標準を与えるもの

  構成

一般業務準則、特殊業務準則、特殊業種準則、財務諸表準則から構成

「企業会計準則」設定当初の計画

「基本会計準則」に基づく具体的な会計処理基準を規定する予定

1996年の公開草案

国際会計基準を参考にした30項目に整備

20001月末まで

9項目は設定、施行され、残りは検討中

内容

・基本業務面の具体的準則

固定資産、減価償却、無形資産、所有者持分、研究と開発、売掛金、棚卸資産、投資など

・財務諸表の具体的準則

財務諸表の様式、内容、作成方法、述べ順位等

・特別業種に関する具体会計準則

外貨業務、賃借業務、清算業務等

設定された9つの「具体会計準則」

@「関連当事者の関係及び取引に関する開示」(1997.7.1:公布)

A「キャッシュ・フロー計算書」(1998.1.1:施行)

B「後発事象」(1998.1.1:施行)

C「債務再構築」(1999.1.1:施行)

D「収益」(1999.1.1:施行)

E「投資」(1999.1.1:施行)

F「工事契約」(1999.1.1:施行)

G「会計方針、会計上の見積りの変更及び会計誤謬の訂正」(1999.1.1:施行)

H「非貨幣性取引」(2000.1.1:施行)

  検討中のもの

    貸借対照表、損益計算書、研究開発、無形資産、連結財務諸表、繰延費用、外国為替、贈与および政府の補助金、企業結合、先物契約、リースなど

 

○企業財務通則との関係

  企業財務通則(199371日:施行)

    制定の目的(第1条)

     「中国社会主義市場経済の発展のための必要に適応し、企業の財務行為の規範として、企業の公平な競争に役立ち、財務課員利と経済計算を強化するため」

 

  企業会計準則との関係

     会計規制体系における位置付けは「企業会計準則」と同じ

     企業の財務活動を規定(資金と会計報告が中心)

     計画経済システムから受け継いだシステム

     内容の多くは「企業会計準則」と重複

 

○企業会計準則の問題点

「企業財務通則」

→同時併存

「会社法」や「共同経営企業法」など企業財務面の法的整備が進められてきた

   →同時併存

1999年改正会計法」において真実性の原則と継続性の原則が規定

   →同時併存

 ⇒会計法、企業会計準則、企業財務通則、業種別企業会計制度、企業財務制度が同時並存している状況

  

  歴史的な企業会計制度で十分に会計処理ができている

  多くの会計実務従事者が長い間政治(行政)に依存

会計処理手続に対して選択肢が多い

 →具体的で単純な過去の会計制度を利用

 

中国の現状と実務者の慣習に合致していない

 →存在感が薄い

 

 

企業会計制度

 

○成立過程

 20001229日「『企業会計制度』の発行に関する通知」

200111日から株式会社に企業会計制度を適用

   ・「企業会計制度」(本則)と「会計科目および財務諸表」(細則)を添付

 20011129日「外国投資企業の『企業会計制度』執行に関連する問題の規定」

   ・20021月から外国投資企業に企業会計制度を適用

   ・「外国投資企業の執行に関連する問題の規定」を添付

      「外国投資企業会計制度」から「企業会計制度」に変更される財務諸表についての表示方法

 

○内容(全160条)

 会計前提

   会計主体、企業の存続性、期間区分、貨幣的測定

 会計原則

   真実性の原則、実質性の原則、有用性の原則、継続性の原則、同一性の原則、適時性の原則、明瞭性の原則

 会計処理の原則

   発生主義の原則、費用収益対応の原則、取得原価主義、資本的支出の原則、保守主義の原則、重要性の原則

 基本概念の定義

   資産、流動資産、短期投資、受取・前払債権、前払費用、棚卸資産、長期投資、固定資産、無形資産、その他の資産、負債、流動負債、長期負債、出資者持分、払込資本、資本準備金、利益剰余金、外資投資企業の利益剰余金、収入、建設契約、費用、期間費用、営業費用、管理費用、財務費用、利益、営業利益、利益総額、投資収益、補助金収入、営業外収入と営業外支出、所得税、純利益、非資金取引、外貨取引、会計調整、会計方針、会計見積、会計錯誤、後発事象、偶発事象、関連当事者関係

 会計処理に関する事項

   減価償却費の計上、減価償却費を計上しない場合、ファイナンス・リース賃借固定資産の未払金計上、固定資産の購入権説のための専用借入金に発生した借入費用の処理、商品販売収入の認識、工事契約収入および費用の認識、契約完成度の計算、不動産開発収入の認識

 選択可能な会計処理

   棚卸資産の評価方法、長期投資の評価方法、耐用年数と残存価額、減価償却の方法、固定資産の大修理、無形資産の償却、所得税の会計処理

 資産の評価損失

   資産の評価損失の計上、短期投資評価損失引当金の計上、貸倒引当金の計上、棚卸資産評価損失引当金の計上、長期投資、固定資産、無形資産評価損失引当金の計上、市価のある長期投資の評価損失引当金の計上、市価のない長期投資の評価損失引当金、固定資産の評価損失引当金、無形資産の損失、無形資産の評価損失引当金の計上、建設仮勘定評価損失引当金、回収不能資産の処理

 

企業財務会計報告条例

 

○成立

  発布:20006月、施行:20011

 

○内容

  対象:外部から資金を調達する企業と大中規模の企業

  財務諸表の作成と対外的な発表についてこの条例を適用

    F/Sの虚偽作成と改変、重要な会計事実の隠匿に対して厳しく規定

    F/Sの真実性、監査の重要性、体外的な会計情報の真実性が強調

○財務会計報告書

   財務会計の報告書:財務諸表、財務諸表脚注、財務状況説明書

   ・財務諸表

      B/SP/LC/F、資産減損引当金明細書、株主持分増減変動表、未納増値税明細表、利益処分計算書、セグメント報告書(事業区分、地域区分)

   ・財務諸表脚注

      会計処理の基本的前提と適合しない場合にはその説明、重要な会計方針と会計評価の説明、重要な会計方針と会計評価の変更の説明、偶発事象とB/S日後の事象の説明、関連当事者の関係およびその取引の開示、重要資産の譲渡およびその売却の説明、企業の合併・分割の説明、F/Sのなかの重要事項の明細資料、F/Sの理解と分析に必要な説見に役立つその他の事項

   ・財務状況説明

      企業の生産経営の基本的状況、利益の実現と分配の状況、資金の増減と運転の状況、企業の財務状況、経営成果およびキャッシュ・フローに対して重大な影響のあるその他の事項

   財務会計報告書の作成時期

     年度、半期、四半期(F/Sのみ)、月次(F/Sのみ)

     ・年度:年度終了後4ヶ月以内

     ・半期:年度半期終了後60日以内

     ・四半期:四半期終了後15日以内

     ・月次:月次終了後6日以内

 

金融企業会計制度

 

20021月から適用

詳細:不明

 

小企業会計制度

 

公布:20045

詳細:不明

 

業種別会計制度

 

従来(計画経済)からの会計制度

非株式会社(有限会社)やその他の企業に適用

 

 

税制

 

税制改革の歴史

1950年:国民党時代の煩雑な税制を整理統合。流通税と所得税が合わさった工商業税は依然として残存。

1953年:社会主義経済の発展に伴う流通構造の変化による流通、交渉税の修正。

1958年:左翼思想による工商税の統一化と簡素化。土地改革のための農業税の統一化。

1973年:文化大革命による資本主義的工商税の煩雑性排斥。工商税の再統一。

1980年代:1978年三中全会の国際経済活性化政策と対外経済開放政策により、税制改革が開始。

1994年:1993年三中全会の経済改革方針により渉外税制と内国税制の統一化が図られ、中央政府税と地方税を分離する分税制の導入が決定。

 

  現行の租税体系

    1994年の税制改革により骨格ができている

  従来の租税体系

    1980年代に始まった国内経済活性化政策と外資導入

    →外資導入政策を国内経済と切り離して促進する必要性

    ⇒中国企業と中国人のための国内税制と外資系企業と外国人のための渉外税制を完全に分離した形で体系を構築

  中国企業と外資系企業に分離していた租税体系

    ・外資系企業による経済発展が次第に国内経済に重要な影響

    ・中国企業が次第に産業競争力を持ちはじめた

    →課税の公平性等の観点から多くの矛盾が顕在化

    ⇒1994年の税制改正で内外税制の統一

 

○企業所得税

  ●納税義務者

外国投資企業および外国企業所得税法の納税義務者

     →合弁企業、合作企業、外資企業、外国企業

    *外国投資企業

      中国国内に設立された中外合資経営企業(合弁企業)、中外合作経営企業(合作企業)および外資企業の総称

   ・中国国内に本部を有する外国投資企業

     無制限納税義務者として中国国内および国外のすべての所得に対して納税義務を負う

   ・中国国内に本部機構をもたない外国投資企業

     制限納税義務者として中国国内に源泉のある所得に対してのみ納税義務を負う

    *本部機構

      中国の法律に基づいて企業法人を構成する外国投資企業が、企業の経営管理と統制に責任を有する中国国内において設立された中心的な機構を指すもの(本店所在地主義)

  ●課税所得

   中国国内源泉所得と国外源泉所得の区分

     →事業所得と投資所得(資産所得)に分けて定義

   ・事業所得

     外国投資企業または外国企業の中国国内に設立された機構、場所が生産、経営に従事して得た所得(関連する資産所得(配当、利子、賃貸料、特許権使用料等)も含まれる)

   ・投資所得

     源泉値の判定に使用地主義が採用