The Framework of Financial Accounting Concepts and Standards,FASB Fainancial Accounting Series,Special Report

 

概念フレームワーク

 首尾一貫した会計基準を導き出すために、財務報告の基本目的を明らかに誌、財務報告が備えるべき質的な特徴や財務報告を構成する基礎的要素の概念を整合的に規定した体系

 個々の会計基準設定のための理論的拠り所となることが期待されているもの

 

FASBプロジェクト(概念フレームワークの構築)

1973年秋  創設

19746月 『会計および報告の概念構造:財務諸表の基本目的に関する委員会報告書の検討』

 

Statement of Financial Accounting ConceptsSFAC

1号『営利企業の財務報告の目的』 1978.11

2号『会計情報の質的特徴』 1980.5

3号『営利企業の財務諸表の構成要素』 1980.126号置換え

4号『非営利組織の財務報告の目的』 1980.12

5号『営利企業の財務諸表における認識と測定』 1984.12

6号『財務諸表の構成要素』 1985.12

7号『会計測定におけるキャッシュフロー情報と現在価値の利用』 2000.2

 

諸外国の概念フレームワーク

International Accounting Standerds CommitteeIASC) 1989

イギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド

 

会計原則に関する競合する二つの見解

@会計原則は実務で一般に行われているものを基礎としているというもの

A根本的前提(概念)の基礎構造が必然的に健全な実務を作り上げ、決定するというもの

 

財務会計・報告

財務会計・報告

経営ないし経済的意思決定に有用な情報を提供することによって、公益に資すること

概念フレームワーク

会計実務の指針として公表される財務会計基準作成のための基礎を提供することを目的

FASBと一般目的外部財務会計・報告

FASBの基準書

財務会計基準書(SFAS

FASBの解釈指針(FIN

FASBの前身

会計原則審議会(Accounting Principles Board,APB

APB意見書

APBの前身

会計手続委員会(Committee on Accounting Procedure,CAP

−会計研究公報(ARB

 

なぜわれわれは概念フレームワークをもつに至ったか

ウィート報告書

「会計原則」という用語は非常にとらえどころのないものである。会計専門家以外の人々にとって、それは数語で表現しうる種類の、特性としては比較的時代を超えた、ビジネスでの時流や投資社会において進展するニーズに依存することの決してない、基礎的かつ根本的なものを意味する

ARB7

原則:行動の指針として採用もしくは公表された一般的な法則または規則;行為もしくは実務の確立された根拠あるいは基礎

 

1970年代まで

会計の基本原則を確定的に記述したものとして実務に受け入れられ、あるいは実務で依拠しうるような成文書や原則書は皆無

会計原則所を求める試み←2つの学派の影響

・会計原則は体系的な理論的基礎とは無関係に実務の中から一般化し、あるいは引き出すことができると考えるもの

・会計原則はいくつかの基礎的な前提に依拠しており、それらの前提が会計原則とあいまって、実務で直面する具体的な問題を解決するために枠組みを提供すると考えるもの

 

George O May『財務会計:経験の蒸留』(1943年)

会計原則は本質的には「経験の蒸留である」

 ↓

他の分野における学習の成果

@環境や問題は変化するので、経験だけに依存するのでは限界があること

A経験を通じて得られた知識が、概念的基礎構造によって目的を与えられ、方向性を示され、そして内的整合性を付与されるのでなければ、基本的な部分について際限のない議論を繰り返すこととなり、また、理解が変化したり、多様な会計処理方法が出現することによって実務は分裂してしまうこと

B実務の基礎構造を学び理解することによって、前進のための道筋をはじめて見つけることができ、実務の改善という願いも実現できる

FASBの概念フレームワーク・プロジェクト

財務会計・報告の実務の基礎にある目的と根本原理の枠組みの構築

証券取引所との連携のための特別委員会

 

<参考文献>

(財)企業財務制度研究会 訳『財務会計の概念フレームワークおよび基準のフレームワーク』中央経済社、2001